超越占星術概論2
西洋占星術のホロスコープは、天動説を元にしたものです。人が空を見上げると、太陽は天球上を動いているように見えるので、ホロスコープも星座を移動しています。
考えてみれば分かりますが、本来太陽は移動しませんから、太陽に特定星座の色は付きません。太陽星座というのは、裏返せば地球の影の星座です。
太陽星座が表すのは”目的意識”であって”目的”ではありません。持たざるからこそ、それを目指しているに過ぎなかったのです。それでも目的を持つことは、人生を開拓することでもありますから、偽りの目的でも、持たないよりかは人生をより良くすることができました。
ですがやはり、偽りの目的では、しこりが残ります。これで本当に良いのだろうかという迷いまで拭うことはできません。そこで人生を開拓していきながらも、迷いというものがつきまといます。
この天動説から始まった占星術は、古典力学が自然現象をある程度までを解明していったように、人間の諸現象についてある程度までは説明できましたが、ニュートンの古典力学と同じように、説明できないことがあります。科学では量子力学が展開され、より広い範囲で物事の摂理を理解できるようになりました。
占星術でそれにあたるのは、地動説によるホロスコープです。これは占星術の第一人者、松村氏が提唱した「ヘリオセントリック占星術」というものです。
太陽は中心ですから、ホロスコープでも中心にあって、太陽は特定の星座の色を持ちません。代わりに、地球星座の概念があります。
地球星座が表すのは地球で生まれた意味そのもの、つまり”目的”です。この目的は仕事や趣味とか、ライフスタイルといったような狭く限定的なものではなくて、使命レベルの類いです。だからといって実生活や物質的な豊かさとはかけ離れてしまうかというと、むしろ逆で、迷いがない状態で突き進めることができるので、かつてよりもストレートにお金稼ぎも精神的な充足度も得られます。
行動経済学的な観点から言うと、目的を明確に持っている人ほど収入が高くなるという事が分かっています。お金を稼ぐくらいであれば、どんな目的を持っていても良いのですが、迷わずに進んだほうが精神的にも満たされ、人生における成功確率を上げるので、ホロスコープで自分のシナリオ を確認しておくのは有効でしょう。
従来の占星術(ジオセントリック)の見方は、個人が空を見上げているようなもの、例えるならば、企業の平社員の視点です。同僚と協力し合ったり、あるいは足の引っ張り合いをしている現象について、ああだこうだと分析しているようなもので、会社全体の目的や意図を認識できません。
一方、太陽を中心としたヘリオセントリックは、社長の視点です。目的達成のための意図があって、それを9つの天体に振り分けている。土星はマネジメントを担当させ、火星は挑戦心を煽る役割。水星は社長の意図を組んで、率先して動く右腕で、金星は生きる喜びを演出することで活力を与えます。
下の階層にいる者は、上の階層を認識できません。下の階層は下の階層なりに、上の意図を汲み取ろうとした結果が従来の占星術です。
ゲームのキャラクターたちは、製作者の意図に、気づくことができません。もし、製作者の意図が分かるトリックがゲーム世界上にあれば、彼らはより彼らの世界を創造的に役割を遂行できるでしょう。製作者の意図とは、人間の僕らでいうと、太陽の意図、すなわちホロスコープです。
ヘリオセントリックでは、社長・製作者の視点を知り、あとはその意図に則って生きるだけなので、生き方がシンプルになり、生き方の姿勢も超然的になります。つまり些細なことで落ち込んだりしなくなるわけです。
その証拠に、太陽中心のヘリオセントリックでは、感情を司る月星座は見ません。月は地球の衛星に過ぎませんし、感情に囚われてしまうということは、平社員の視点に囚われてしまい、自由に動けなくなってしまいます。目的よりも、快/不快の感情に従いたくなるのです。しかし目的達成のためには、個人的な感情などは考慮に入れないほうが良いのです。
個人的な感情を抑圧しろという意味ではありません。むしろ感情抑圧するということは、まだ感情に縛られているということです。感情的な問題にフォーカスしている限り、感情的な問題は解決しません。従来の占星術(ジオセントリック)では、不安定な心を理解するのに役に立ちましたが、不安定な感情そのものを手放すことにはあまり貢献していません。人生のスタンスが、全体として受動的で、適応的だからです。
ジオセントリックは、目の前の事象に対して上手な解釈を求めているだけなので、だからこそ占星術は当たると言われますが、当たったところでだからどうした、というのが私の見解です。
太陽中心のヘリオセントリックでは、積極的で、創造的です。太陽の創造の無限の光線を受けた、地球上の我々が有限の創造を果たしていきます。
惑星の司る役割は、大きく変化はしませんが、その役割を与えたのは太陽なので、惑星同士で、協力し合ったりいがみ合ったりしてもそれは太陽の目的達成のために必要なことであると言えます。従来の占星術では、不幸な出来事は不幸な出来事として捉えてきましたが、ヘリオセントリックでは、一見不都合に見える事象であっても、それによってより本来の生き方をすることに繋がるのです。
ヘリオセントリック占星術は、占星術第一人者の松村氏の提唱するものですが、まだ新理論でまだ知識体系が固まっていません。
そこでヘリオセントリックを土台に、実用できる理論として再構築していったものが、超越占星術になります。