1と2は、天から地へ、右から左へ、白から黒へと対照的な動きがありますが、3はこの1と2の調停として働きます。つまり1がある程度復元されていくということです。双子座は牡羊座の持つ行動性や挑戦性を再現しようとします。
しかし牡羊座と違うのは、牡牛座の体験によって肉体意識、実際性を持ったということです。牡羊座には、肉体意識はありませんから、他者から見ると牡羊座の行動には無理や無茶があります。牡羊座は身体を壊しても平気なのです。
五感が発達するということは、自分と外界の境界線を意識するということです。牡牛座ではモノに対する執着によって、ゆっくり感覚を鋭くさせていきましたが、双子座では興味の幅を広げていきます。感覚が豊かだからこそ、外により興味を持つのです。
肉体意識としての自我が発達しているので、他者を意識するということでもありますから、競争意識も芽生え始めます。牡羊座にはそのような負けず嫌いの性質は持ち合わせていません。
風のサイン(星座)は、横に散らばります。かつ双子座は柔軟タイプなので、興味の対象をころころと不規則に変えていきます。双子座をホームにしているのは水星です。水星は知性や学習能力を表すことから、興味を追い続けることで思考力を高めていくと考えることができます。思考力だけでなく、牡牛座で身につけた個人の資質、可能性をいかに多角的に広く発達させていくかに重点が置かれているので、スポーツや音楽、遊びなどあらゆることに関心が向いていきます。
他者に対して競争意識を持つようになりますが、他者への同化や他者との共存や歩み寄りといったものは意識されていませんので、自身のメリットが優先されます。しばしば人を出し抜き裏切りに見えるようなこともしがちでしょうが、双子座は、個人の可能性をどれだけで広げていくことがテーマですから、本人には悪意はあるわけではありません。
集団意識は次の蟹座で発達させていきます。蟹座では個人がどこに所属するかが重要になりますが、その直前にある双子座は個人としての可能性を模索します。双子座にとって、所属する場所があるということ自体が、縛られた感覚があって不快でしょう。火と風の属性は、まとまったり一つになることを嫌がりますからね。そういったことから、伝統や慣習、常識というものを軽視しがちになります。
これにも意味があって、前の段階の星座の意識を強めることが、次の星座の器の大きさを決定します。伝統や慣習を無視して個人の可能性を広げていった結果、蟹座で個人性を廃し集団に吸収されたときに、双子座で作った幅が蟹座の領域、集団のルールになります。双子座がこじんまりとしていると、蟹座で作られる集団規模も小さくなってしまいます。双子座の許容範囲が蟹座のルールの境界線になるのです。
双子座のテーマは興味を追求し個人的な可能性を広げることにあるので、個人を支える土台が希薄です。かつ外野から帰属意識を求められたりすると、神経症的な傾向が出てきやすくなります。
牡牛座は身体感覚に基づいて生きているので良い意味で頑固ですからブレませんし、蟹座は集団の作る共存心理や常識を拠り所にするためブレがありません。