1番目の牡羊座は、活動する火なので、例えるならば稲妻。牡牛座は固定の地なので、地面や山を指します。
稲妻(牡羊座)が、大地(牡牛座)に落下します。つまり、牡羊座の持つ直感やインスピレーションを受けた衝動性が牡牛座へ封入されていきます。これによって、大地(牡牛座)を苗床に、種(牡羊座の精神性)を撒くため、結果的に牡牛座は恵まれた身体的な資質を宿します。身体的な資質とは肉体というよりは五感の発達です。繊細な五感を持つので、五感の刺激による快や不快を敏感に感じることができます。
この快楽を求めて、牡牛座は感覚の反応を確かめながら、さらに感覚を強化させていきます。感覚の機微を味わいたいので、スローで頑固、おっとりしています。美味しい料理をゆっくり味わおうとするようなものです。体験や印象を確かなものにしていくために、ゆっくりインプットしていきます。その結果、優れた美意識を持つようになります。
牡羊座の稲妻をできるだけ身体性に閉じ込めようとすることに忙しいので、周りのことを考える余裕はありません。牡牛座は強欲でわがままだと言われるのはそのためで、人よりも物に関心があります。自分と対物との関係性と強く結びついているからこそ、外界の情報を受け取る五感が発達するのです。
牡羊座の段階では、自我しかありませんでした。次に観測できるモノを発見し、自身の五感を認識したのが牡牛座です。
牡牛座は固定サインなので、一つのことを粘り強く行い、変化を嫌います。これは自分が開発した資質に依存することを意味しています。自分の中にある資材を使って、この世界を生き抜こうとします。一方情報には疎いので、流行には興味がないでしょう。自分が見て触れて感じられることが重要なので、所有することは好みますが、ECサイトで買い物などは実体を感じられないので、好まないでしょう。
牡牛座は資質に恵まれるため、料理人や芸術家になるかと思いきや、作品を見てほしいといった欲は獅子座、評価を得て洗練させたいというのは天秤座の領域なので、牡牛座だけではうまくいきません。
牡牛座は感じる力はあっても、自分を客観視する能力は備わっていないため、自身の資質を意識的に活用できません。ですから、好きなことを楽しみながら続けることが大切です。信じられるものは自分の中にある実感だけなので、視野を広げるためには幅広い体験をする必要があります。